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2019.08.01ブログ

平和を願って






大阪府豊中市で開業して30年以上の実績を持つウラノマッサージの伊藤です。





8月ですね。
終戦記念日が近づいてきました。 私は、この時期になると、ある方の事を思い出します。





十数年ぐらい前の話ですが、老人ホームに入居されている男性の方と知り合う機会がありました。当時もかなりの高齢で今はお亡くなりになっていると思います。その方は私がマッサージ師だと知ると、「自分も昔は軍隊で衛生兵をしていてマッサージはよくやった」と、語ってくれました。





◆今回は、その方が教えてくれた“マッサージ基本手技の、語呂合わせ” を紹介します。





◆旧日本軍の衛生兵は、マッサージが必須能力だった!?。
現代でも各地の自衛隊駐屯地には鍼灸マッサージ師が勤務して自衛官の健康維持に貢献していると聞きますが、当時は衛生兵がその任を負っていたよです。
その方は、「よく教練として上官をマッサージしたものだ」と言って、指折り数えながら念仏のような事をつぶやき出したのです。少し認知症もあって途切れ途切れで記憶も不明瞭でしたが、以下のようなものでした。





◆「なもおだぶつのゆうひ」
→「南無お陀仏の夕陽?」。
あわせて「なでる」とか「もむ」という言葉もあり、これは語呂合わせでマッサージの基本手技を表していると推理できました。





以下に専門用語と一緒にまとめてみます。
下記の、頭の文字をつなげると、
「なもおだぶつのゆうひ」になります。





◆マッサージ基本手技
なでる→軽擦法(けいさつほう)
もむ→揉捏法(じゅうねつほう)
おす→圧迫法(あっぱくほう)
たたく→叩打法(こうだほう)
ふるわす→震顫法(しんせんほう)
つかむ→把握法(はあくほう)
のばす→伸張法(しんちょうほう)
ゆらす→揺動法(ようどうほう)
うごかす→運動法(うんぉうほう)
ひっぱる→牽引法(けんいんほう)
以上です。





この基本手技は現代でも全く変わりはありません。実際の臨床では上記の組み合わせだったり、指や手の使い方で千差万別に何十通りも手技が広がってゆきます。
例えばごく一部ですが、「つかみ」ながら「もむ」と把握揉捏法(はあくじゅうねつほう)、
「たたき」ながら「おす」と衝圧法(しょうあっぽう)となります。
また手や指の使い方の違いで、
母指揉捏(ぼしじゅうねつ)、
手掌揉捏(しゅしゅうじゅうねつ)、
手根揉捏(しゅこんじゅうねつ)、四指揉捏(ししじゅうねつ)、等々があります。患者さんの身体や症状に合わせて手技を的確に選択して治療をします。
どんなに時代が進化してもマッサージに関しては “人の手” に勝るものはないと思います。





◆元衛生兵の、とても重くて悲しい “つぶやき”
また、その方は当時の戦局が悪化して補給が断たれた野戦病院の状況も言葉少なに語ってくれました。
「(多くの兵士が消耗して) マラリアになって検温計が振り切れるほど高熱が出て、脳症で皆やられてしまう」。
一説によると太平洋戦争の戦没者の半数以上が、餓死を含む病死であったとされています。





◆健康と平和
戦場や紛争地で怪我や病気や飢えに苦しむ事の、その対極にあるのが、“健康と平和”です。何よりも大切な事だと思います。





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